
「副業を始めたい。でも、平日は仕事が終わるだけで精いっぱい」。
そんな人にとって、最初の壁はスキルよりも時間かもしれません。
新しい勉強を何カ月も続けたり、毎晩決まった時間に働いたりするのは難しいものです。
そこで候補になるのが、今ある経験にAIを組み合わせる働き方です。
社内資料を作り慣れているならスライドの整形、文章をまとめるのが得意なら記事の編集。
AIに構成案や言い換えを手伝ってもらえば、作業の一部を短縮できる可能性があります。
とはいえ、AIに指示を出すだけで報酬が発生するわけではありません。
どんな成果物が求められ、どれだけの時間を使い、手数料を引いた後にいくら残るのか。
この記事では7つの仕事を比べ、見本づくりから最初の応募までをたどります。
※料金、募集例は2026年10月31日時点。掲載終了や条件変更の可能性があります。募集の存在は、初心者の受注を保証するものではありません。
文章や資料を扱う仕事の経験があれば、まず文章編集かスライド整形が候補です。
普段からSNSを見る人は、投稿画像や台本の見本を作ると、顧客が求める完成形を想像しやすくなります。
音声や動画は、素材の確認と書き出しに集中できる時間が取れるかを先に考えましょう。
なお、ブログやアフィリエイト、動画チャンネル、素材販売は、自分で集客し売上を作る仕事です。
依頼に応じて納品する受託型とは収益化の条件が異なるため、同じ基準で「始めやすさ」を比較できません。
商品の魅力を伝えたい企業があっても、担当者が記事を書く時間を取れるとは限りません。
そこで頼まれるのが、Webサイトやメディアに載せる文章の作成です。
新サービスの紹介なら、提供された資料や公式サイトを読み、特徴や使い方を初めての人にも分かる記事にまとめます。
この仕事でChatGPTが役立つのは、書き出す前の「何から説明しよう」と迷う場面です。
専門用語の多い資料を基に見出し案を出し、説明の順番を組み立てる。
難しい文章をかみ砕く際の相談相手にもなります。
原稿ができたら、料金や機能を元資料と照合します。
AIは自然な文章の中に誤った数字を混ぜることがあるためです。
出典が必要な情報には根拠を添え、同じ説明を削り、読者が迷わず読み進められる形に整えましょう。
実績がなければ、関心のある製品やサービスについて短い紹介記事を自主制作し、応募時に見せる方法があります。
書き始めから調査、確認までの時間を測れば、平日の空き時間で受けられる仕事の量も見えてきます。
たとえば、クラウドワークスに掲載されたAI関連記事の募集では、継続時の報酬を「1記事3,000円から」とする一方、最初のテスト報酬は500円でした。
さらに記事執筆の経験も応募条件に含まれています。
見出しの金額だけで判断せず、初回に何文字書き、いくら受け取れるのかまで確認しましょう。
「記事作成 AI利用可」「記事 編集」などで検索できます。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13565417
ショート動画は短いからこそ、話す内容を詰め込むほど伝わりにくくなります。
台本作成の仕事は、依頼者が撮影する前に、冒頭のつかみから説明、締めまでを原稿にまとめるもの。
映像やテロップの指示まで求められるかは、案件ごとに異なります。
たとえば「忙しい朝の時間管理」がテーマなら、まず視聴者の悩みを示し、試せる方法を絞って紹介します。
ChatGPTに複数の切り口を出してもらえば、構成を考える手がかりになりますが、情報の正確さと原稿の長さは自分で確かめなければなりません。
台本のみの案件なら、動画の撮影や編集機材は不要です。
仕上げには、声に出して読むひと手間を。画面で読むと自然な文章でも、話すと息継ぎしにくかったり、指定の秒数を超えたりします。
言いたいことを絞り、耳だけでも理解できる原稿にするところに、この仕事の難しさと面白さがあります。
クラウドワークスの募集例では、台本のみをGoogleドキュメントで納品し、初回テスト1本300円、継続時は1本1,500円からと案内されています。
継続前にはオンライン面談もあります。「ショート動画 台本」「リール シナリオ」で探し、AIの使用可否や映像指示の有無も確認しましょう。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13565492
SNSを更新したくても、写真選びや画像づくりに手が回らない店舗はあります。
SNS投稿の制作は、そうした依頼者から写真や情報を受け取り、Instagramなどに載せる形へ整える仕事。
美容室なら、新メニューの特徴を複数枚の画像で紹介し、投稿文まで作る案件もあります。
ChatGPTで投稿文の案を考え、Canvaで画像を組み立てる方法があります。
依頼者が用意した写真に文字を入れるだけの仕事もあれば、構成から任される場合もあります。
価格や営業時間などを間違えると店側に影響するため、原稿や素材と照合してから渡しましょう。
無料素材で練習できますが、有料素材を使う際は費用と利用条件を確認してください。
考えたいのは、画像一枚ずつの見栄えだけではありません。
最初に何を見せれば続きを読んでもらえるか、最後に予約方法をどう伝えるか。
情報を届ける順番まで設計できると、投稿全体が分かりやすくなります。
画像だけの依頼か、文章作成も含むのかは、応募前に押さえておきたい条件です。
公開募集には、支給されたカフェの情報・文章・画像・参考デザインを基に投稿画像を作る例があります。
「SNS 投稿画像 Canva」などで探し、AI利用の可否も確認しましょう。
画像ごとの制作は分けて進められますが、投稿予約やコメント返信まで含むと、休日や日中の対応が必要になる場合があります。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13564215
「内容はそろっているのに、スライドが読みにくい」。
資料の整形は、そんな悩みに応える仕事です。
文章や図表を受け取って見やすく配置したり、既存の提案資料について文字の大きさやページごとの統一感を整えたりします。
文章が長すぎるスライドなら、AIに要点を短く整理させ、見出しや本文の候補を作れます。
ただし、数字の単位やグラフの意味が変わっていないかは、元資料と照らし合わせる必要があります。
機密情報を含む資料を外部AIに入力する前には、発注者の許可とツールの利用条件を確認してください。
Googleスライドなどで練習できますが、納品形式によっては指定ソフトが必要です。
普段の仕事で提案資料を作っている人なら、文章の優先順位をつけたり、情報を図表にまとめたりする経験を生かせます。
ただし、資料の見た目を整えるだけなのか、構成から考えるのかで必要な時間は大きく変わります。
たとえ同じ10枚でも、原稿が完成している案件と、内容の調査から始める案件は別の仕事です。
公開募集には、Googleスライドのデザイン修正について過去の制作実績を求める例があります。
「スライド デザイン 修正」「資料作成」で検索し、納品形式と必要な打ち合わせを確認しましょう。
平日日中の会議参加が必須なら、本業との調整も必要です。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13540291
YouTubeで動画を探すとき、内容を見る前に目に入るのがサムネイルです。
バナーやサムネイルの制作では、限られたスペースに写真と短い言葉を配置し、何を伝える画像なのか一目で分かるよう仕上げます。
サイズや納品形式は依頼者の指定に合わせます。
ChatGPTに見出しの候補を出してもらい、Canvaで文字や写真を配置すれば、無料素材の範囲で制作を試せます。
完成後はスマートフォンで表示し、文字が小さすぎないか、内容を誇張していないかを確認しましょう。
見本を作るなら、同じ架空の動画を題材に、見出しと配置を変えた2案を用意すると工夫を説明しやすくなります。
バナー制作は、文章をたくさん入れるより「誰に何を伝えるか」を一つに絞る判断が大切です。
たとえばキャンペーンの画像なら、割引率を目立たせるのか、開催期間を先に見せるのかで印象が変わります。
発注者の目的を聞き、デザイン案を調整するやり取りも仕事の一部です。
募集例には、SNS広告バナーでCanvaやAIの利用を認める案件があります。
「バナー Canva」「YouTube サムネイル」で探し、納品形式と修正回数、使用素材の範囲を確認しましょう。
1枚単位で進められる案件は予定を立てやすい一方、即日差し替えが前提の案件は夜だけの対応では難しい場合があります。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13557263
会議の録音が残っていても、必要な発言を探すために最初から聞き直すのは大変です。
そこで音声を文章にするのが文字起こし。
会議後に誰が何をするかまで確認できるよう、決定事項や担当者を整理する場合は議事録になります。
似ているようで納品物が違うため、応募前に依頼内容を確かめましょう。
音声認識を使えば、聞き取った内容を一から入力する手間を減らせます。
ただし、話者の声が重なる部分や会社名、金額などは誤認識されることがあるため、録音を聞き直しながら修正します。
聞き取れない言葉を推測で埋めないことも大切です。
会議音声には機密情報が含まれる場合があるので、外部ツールへのアップロードは発注者に許可を得てから行います。
この仕事で見落としやすいのは、録音の長さと作業時間が一致しないことです。
音声が聞き取りにくい場合や複数人が同時に話している場合は、何度も再生して確認しなければなりません。
短い音声で自分がどれだけ時間を使うか試してから、長い案件に応募すると判断しやすくなります。
公開例には、複数人の対談動画を文字起こしする募集があります。
「文字起こし 対談」「議事録 整理」で探し、音声の長さ、話者数、仕上げ方、納期、AI利用条件を確認しましょう。
募集例:https://crowdworks.jp/public/jobs/13560975
長いインタビューから見どころを切り出し、字幕を付けてSNS向けに仕上げる。
短尺動画編集は、手元に届いた映像を視聴者が見やすい一本にまとめる仕事です。
カットと字幕だけを担当する案件もあれば、BGMや効果音まで求められる案件もあります。
字幕の自動生成機能を使えば、発言を一文字ずつ入力する手間を減らせます。
ただし、誤変換の修正や、字幕が映像に合うタイミングで表示されているかの確認は必要です。
練習には自分で撮影した動画を使えます。
編集ソフトや音楽素材は、無料で使える範囲と商用利用の条件をそれぞれ確認しましょう。
動画編集は完成した動画の長さだけでは作業量を判断できません。
例えば、完成動画が1分でも、元の映像が長ければ使う場面を探す時間がかかります。
字幕をすべて入れるのか、効果音やサムネイルも作るのかによっても負担は変わります。
公開募集には、ショート動画の素材をカットし、フルテロップを入れる案件があります。
募集例では動画編集歴などを確認しており、「ショート動画 編集 テロップ」で探せます。
元動画の長さ、編集ソフトの指定、修正回数を確認し、自分の作業時間で納期に間に合うか考えましょう。
すでにPCとインターネット回線があるなら、最初の見本はChatGPTの無料枠、無料の文書・スライドツール、Canvaの無料素材などで試せます。
無料枠には利用回数や機能の制限があり、案件に必要な機能が常に使えるとは限りません。
音声・動画の処理時間、書き出し、透かし、素材の権利はサービスごとに確認してください。
OpenAIはChatGPTの出力について、無料・有料プランにかかわらず、利用規約などを条件に商用利用できると説明しています。
ただし、実在人物、既存作品、提供素材の権利まで保証されるわけではありません。
Canvaも多くの商用デザインを認める一方、素材の種類や利用方法で条件が異なります。
素材そのものの再配布や編集可能テンプレートの販売は、完成画像の納品と同じ扱いとは限りません。
有料プランは、無料枠の制限が実際の作業を妨げ、支払額に見合うと判断できてから検討すれば十分です。
契約するだけで案件を受注できるわけではありません。
普段の仕事で議事録を整理しているなら資料や議事録、趣味で動画を見ているなら台本など、完成形を想像できる仕事を選びます。
最初から7種類すべてに取り組む必要はありません。
架空の店舗や自分の録音・撮影素材を使い、実案件で求められる形式に寄せます。
公開する際は「自主制作の見本」と明記し、実績や依頼された仕事と誤認させないようにしましょう。
勤務先の資料や顧客情報を無断で使ってはいけません。
クラウドワークスやランサーズで仕事を検索し、ココナラでは自分のサービスを出品する方法もあります。
まず成果物、単価、納期、修正回数、テスト報酬、素材支給の有無を読み、AI利用の可否が不明なら応募前に確認します。
利用禁止の案件で隠れて使うことはできません。
未経験でも、見本と連絡可能時間を具体的に示せます。以下は自分の状況に合わせて書き換えてください。
【応募文の例】
はじめまして。募集内容を拝見し、応募いたしました。
実務での受注経験はありませんが、[テーマ]を題材に自主制作した見本があります。こちらをご覧いただけますと幸いです。[見本URL]
対応可能な範囲は[成果物・本数など]、連絡できる時間帯は[例:平日19時以降、土日]です。
AIの利用については、[予定する工程]での使用を検討しています。募集条件に合うかご確認いただけますでしょうか。
納期と修正範囲を確認したうえで、丁寧に対応いたします。よろしくお願いいたします。
契約金額と受取額、納期、修正の範囲、著作権、秘密保持、AI利用、支払い手順を確認します。
仮払い方式のサービスでは、所定の支払い手続きが確認されてから着手しましょう。
納品前には依頼文と成果物を照らし合わせ、必要な形式で渡します。
使える時間は制作だけで埋めず、募集探し、応募、やり取り、調査、納品前の確認、修正にも割り当てます。
初期の学習や応募は報酬が発生しない場合があり、最初の見本で実際にかかった時間を記録すると、無理のない受注量を判断しやすくなります。
例えば「投稿画像3枚まで、修正1回、平日夜に返信」といった形で範囲を明示し、急な追加作業は別途相談にします。
夜しか連絡できない場合、日中の即返信や毎日の投稿代行が必須の案件は避ける方が現実的です。
募集ページの金額は、そのまま手元に残る金額ではありません。
クラウドワークスのプロジェクト形式では、取引ごとに報酬の10万円以下の部分は20%、10万円超20万円以下の部分は10%、20万円超の部分は5%のシステム利用料がかかり、利用料に消費税が加わります。
契約形式や条件は公式ページで再確認してください。
【計算例:仮定】
条件により実際の表示額は変わるため、契約前にサービス上の受取額を確認します。
制作、連絡、調査、修正の合計が仮に4時間なら、上記8,080円を4時間で割った2,020円は税引き前・他の費用を除いた時間当たりの目安です。
応募や学習の時間も含めれば、別の数字になります。
AIで素早く下書きができても、顧客が必要とする形式に整えられなければ納品できません。
見本がない、依頼内容と応募文が合っていない、低額のテストに長時間かかる、修正が無制限になるといった状況では、作業量に比べて収入が残りにくくなります。
応募前は、次の点を確認してください。
消費者庁は、簡単に稼げるとうたい高額なサポート契約へ誘導する事例に注意を呼びかけています。
報酬の見込みが不明なまま支払いを先行させる話は、いったん立ち止まって確認しましょう。
副業の届出や許可、競業、労働時間に関する就業規則を確認します。
勤務先や取引先の未公開情報を見本に使ったり、発注者の資料を無断で外部AIへ入力したりしないことも必要です。
入力の可否は、契約とツールの設定・利用条件を合わせて確かめます。
売上と所得は別です。所得の計算では、収入から必要経費を差し引くなど、所得の種類に応じた扱いがあります。
国税庁は、給与収入2,000万円以下で、給与を1か所から受けるなど一定の条件を満たし、給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告を要しない場合があると説明しています。
ただし、複数の給与やほかの所得、医療費控除などで申告する場合は条件が変わります。
所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合があるため、自治体や税務署、税理士に自分の状況を確認しましょう。
報酬明細や経費の領収書は保管します。
最初に決めるのは、使うAIよりも「何を納品するか」です。
文章が得意なら紹介記事、資料整理の経験があれば3枚のスライド、SNSが好きなら投稿画像など、自分が完成形を想像できるものを一つ作ってみてください。
見本を作り終えたら、制作と確認に要した時間を記録し、同じ成果物を求める募集を探します。
納期、連絡可能時間、AI利用、報酬と修正範囲が合う案件を選ぶことが、本業と両立するための出発点になります。

