
正式名称は「デジタル化・AI導入補助金2026」です。
2025年までの「IT導入補助金」を引き継ぐ制度で、公式サイトでも「旧:IT導入補助金」と案内されています。
制度の目的は、中小企業・小規模事業者などがITツールを導入し、業務効率化やDX、労働生産性の向上につなげることです。
補助対象になるITツールは、事前に事務局の審査を受けて登録されたソフトウェアやサービスなどに限られます。
原則として、申請者は登録されたIT導入支援事業者と共同で申請します。
2026年から名称に「AI」が加わりましたが、制度の対象がAI製品だけに変わったわけではありません。
公募要領では、ITツールに「AIを含む」と明記されており、従来の業務システムやクラウドサービスも引き続き対象です。
名称変更には、ソフトウェアの導入に加え、デジタル化やAI活用による生産性向上を広く促す意図があると考えられます。
したがって、「AIと書かれた製品なら何でも補助される」「ChatGPTを契約すれば利用料が戻る」と理解するのは誤りです。
登録ツール、申請枠、業務プロセス、導入経路などの要件を満たす必要があります。
通常枠とインボイス対応類型の第4次締切は、2026年8月25日17時です。
交付決定日は2026年10月7日予定とされています。
8月25日は現時点で日程が公表されている第4次締切であり、制度全体の最終締切とは断定できません。
公式スケジュールには5次・6次締切分の項目もありますが、2026年8月17日時点では日付が掲載されていません。
次回を待つ場合も、正式な日程が公表されるまでは確定情報として扱わない方が安全です。
申請には「GビズIDプライム」と「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。
公式案内では、GビズIDプライムの発行におおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済みアカウントID発行におおむね2~3日かかるとされています。
締切まで8日しかない8月17日時点でGビズIDを持っていない場合、公式目安どおりに進めば間に合いません。
発行が早まる可能性に期待して準備不足のまま申請を進めるより、GビズIDの取得を開始し、次回募集に備える方が現実的です。
すでにGビズIDを持っている場合でも、登録ツールの選定、支援事業者との商談、見積もり、必要書類の取得、事業計画の入力が残っていれば余裕はありません。
公式サイトも、締切直前は申請画面やSMS認証が混雑する可能性があるとして、早めの提出を求めています。
AI導入補助金の対象ツールは、申請者が自由に選んだ製品ではありません。事務局の審査を受け、2026年度のITツールとして登録されたものから選びます。
さらに、そのツールを取り扱う登録IT導入支援事業者を通じて申請する必要があります。
2026年8月17日時点の公式検索では、ITツール番号「DL07-0022057」として、「ChatGPT Pro」の名称を含む登録ツールの詳細ページを確認できます。
ここで注意したいのは、登録ページがあることと、OpenAIの公式サイトから個人が直接契約するChatGPT Proが補助されることは同じではない点です。
補助対象になるには、少なくとも次の条件を確認する必要があります。
登録されているのがChatGPTを含む導入パッケージや関連サービスである場合、OpenAIとの直接契約とは契約先や支援内容、申請対象経費が異なる可能性があります。
公式詳細ページで料金や契約条件を確認できない項目については、IT導入支援事業者へ直接確認してください。
また、ChatGPT Plusが補助対象だと確認できる公式情報は見当たりません。
名称が似ていても、PlusとPro、個人契約と登録ツールを同一視することはできません。
「ChatGPT 補助金」や「ChatGPT Pro 補助金」を検討するときは、プラン名ではなく、ITツール番号と取扱支援事業者を基準に判断する必要があります。
Gemini、Copilot、Difyなども同様です。
一般に提供されているサービスだから対象になるのではなく、申請時点の公式検索に表示される登録内容を確認しなければなりません。
PC・タブレットが対象になり得るのは、原則としてインボイス枠のインボイス対応類型です。
通常枠の上限450万円を利用して、好きな高性能PCを購入できる制度ではありません。
インボイス対応類型では、「会計」「受発注」「決済」のうち1種類以上の機能を持つ対象ソフトウェアの導入が必須です。
PCやタブレットは、そのソフトウェアを使用するための機器としてセットで申請します。
例えば、登録されたインボイス対応会計ソフトと、その操作に使用するPCを同じ支援事業者から導入する申請は対象になり得ます。
一方、動画生成AIやローカルLLMを動かすための高性能PCだけを購入する申請、家電量販店で先に購入したPCを後から申請へ加える方法、私的利用を主目的とする機器は対象外になりやすい例です。
「AI補助金なら高性能PCが450万円まで補助される」という説明は不正確です。
450万円は通常枠におけるITツールの補助上限で、4種類以上のプロセス要件などを満たす場合の金額です。
PC・タブレットの上限は10万円であり、ハードウェア単体では申請できません。
日本国内に補助事業の実施場所があり、実際に事業を営む個人事業主は対象になり得ます。
会社員の副業やフリーランスであっても、事業者としての実態と必要書類があり、業種ごとの従業員規模などの要件を満たせば申請を検討できます。
一方、一般消費者が私生活でChatGPTやPCを使う目的では申請できません。
補助対象は、製品・サービスの生産や提供など、事業活動の生産性向上につながる導入です。
中小企業としての従業員上限は業種によって異なり、小売業は50人以下、卸売業と一般的なサービス業は100人以下、製造業・建設業・運輸業やその他の業種は300人以下などと定められています。
小規模事業者の区分は、商業・サービス業が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他が20人以下です。詳細は通常枠の公募要領で確認できます。
個人事業主が通常枠へ申請する場合、主に次の書類が必要です。
2026年度の通常枠では、原則として2025年分の確定申告書が求められ、やむを得ない事情がある場合は2024年分も可能とされています。
確定申告書は、受付番号と受付日時、または受信通知によって税務署の受領を確認できる必要があります。
開業直後で確定申告をまだ行っていない場合、必要書類をそろえられない可能性があります。
公募要領に代替書類は一切認めないとの記載があるため、開業届だけで申請できるとは判断せず、IT導入支援事業者と事務局へ確認してください。
通常枠とインボイス対応類型では、目的も対象経費も異なります。
生成AIを含む業務ソフトウェアの導入は通常枠、PC・タブレットを含むインボイス対応環境の整備はインボイス対応類型が主な候補です。
通常枠では、1種類以上の業務プロセスを持つソフトウェアの導入が必要です。
「顧客対応・販売支援」「会計・財務・経営」「総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務」などが対象プロセスに含まれます。
汎用・自動化・分析ツールだけでは申請できません。
生成AIが「汎用プロセス」に分類されている場合、対象となる業務プロセスを持つ別のソフトウェアと組み合わせる必要があります。
登録されているAIツールでも、単独で通常枠の要件を満たすとは限らない理由がここにあります。
通常枠の主な対象外経費には、交通費、宿泊費、申請代行費、消費税、対外的に無償提供されているツール、原則としてリース・レンタル契約、中古品、交付決定前に購入したITツールなどがあります。
AI導入補助金の申請方法は、申請者だけで完結しません。
登録IT導入支援事業者がツール情報や事業計画の一部を入力し、申請者が最終確認と提出を行います。
補助金は購入時の値引きではなく、原則として申請者が先に代金を支払い、実績報告と補助金額の確定を経て受け取る仕組みです。
導入費用全額を一時的に負担できる資金計画も確認しておきましょう。
2026年7月23日更新の公式実績では、通常枠の交付申請件数と交付決定件数は次のとおりです。
交付決定事業者一覧
約43.8%は、申請件数に対する交付決定件数をAI TOP TIERが単純計算した数字です。
公式が将来の採択率として示したものではなく、第4次以降の交付決定割合を予測する数字でもありません。
個別の不採択理由は公表されていないため断定できませんが、申請前には少なくとも次の要件不足がないか確認しましょう。
登録ツールを選んだだけで交付が保証されるわけではありません。
申請者の条件、事業計画、導入目的、書類の内容を含めて審査されます。
締切が近づくと、補助対象の条件を省略した広告が増える可能性があります。
次のような表現は、そのまま事実だと受け取らないでください。
補助率2分の1は、購入額の半分が必ず支給されるという意味ではありません。
対象経費として認められた金額に補助率を掛け、上限額や審査結果を反映した金額が交付されます。
消費税や対象外サービスが含まれていれば、支払総額の半分にはなりません。
支援事業者へ相談するときは、ITツール番号、申請枠、補助対象経費の内訳、交付決定前の契約有無、自己負担額、申請支援費用の扱いを確認しましょう。
「必ず通る」と断言する事業者には注意が必要です。
補助金を使う目的を「AIツールを安く契約すること」に置くと、導入後に使われなくなるリスクがあります。
ChatGPTを契約しても、入力してよい情報の基準、確認が必要な出力、担当者ごとの利用場面が決まっていなければ、業務時間や外注費は期待したほど減りません。
成果につなげるには、導入前に現在の業務時間と課題を把握し、AIへ任せる工程、人が確認する工程、効果を測る指標を決めておく必要があります。
例えば議事録作成なら、録音、文字起こし、要点整理、事実確認、共有までの流れを設計し、導入前後の所要時間を比較します。
通常枠では、ソフトウェアに加えて導入設定、研修、活用コンサルティング、保守サポートなども対象になり得ます。
自社だけで運用設計が難しい場合は、ツールのライセンス費用だけでなく、社内ルールやテンプレートの整備、従業員教育まで含めて検討する方が制度の目的に合っています。
同じAIツールを導入しても、アカウントを配布して終わる企業と、業務設計や研修まで行う企業では、補助事業終了後の定着率に差が出る可能性があります。
申請前には「いくら補助されるか」だけでなく、「補助金がなくなった後も利用を続ける価値があるか」を判断することが大切です。
8月25日の第4次締切に間に合うかは、現在の準備状況で決まります。
GビズIDプライム、登録ITツール、IT導入支援事業者がそろっていれば可能性はありますが、GビズID未取得の場合は公式発行目安が約2週間のため厳しい状況です。
ChatGPTは登録ツールと申請経路、PCはインボイス対応ソフトとのセット要件を満たす必要があります。
個人事業主も対象になり得ますが、事業実態と税務関係書類が欠かせません。
契約・購入は必ず交付決定後に行い、次回募集を検討する場合も公式スケジュールで確定日を確認してください。

